相続資産が少なくても、
相続時のトラブルになる?
のかについて知りたい。
こんなテーマの内容です。
データでみると、相続財産の少ないほうが、相続トラブルが多い状況になっています。その内容についてわかりやすく説明しています。
一般的に、相続資産が多いと、
トラブルが多い
とイメージしがちです。
ただ、実際は、そうでもありません。
逆に、相続資産が少ないほうが、トラブルが多いという状況になっています。
相続資産と、相続トラブルの関係
相続でのトラブルというと、大きな財産を相続するときに、揉め事がおこるイメージが
あります。
相続資産と、相続トラブルの関係をみるのに、
最高裁判所 司法統計
遺産分割事件のうち認容・調停成立件数のデータ
というものがあります。
ちなみに、認容というのは、裁判ではなく、審判による解決を行うというものです。
この審判と調停の件数を、
相続の金額別
に算出したデータを見てみましょう。
データの内容を見ると、
・1,000万円以下が、31.9%
・1,000~5,000万円が、43%
・5,000万円~1億円が、12.6%
・1億円~が12.5%
となっています。
母数となる相続件数の割合が原因なのでは?
トラブルの大半が、相続財産が5,000万円までとなっている理由として、
そもその、母数が多いのでは?
という疑問があります。
財務省の
相続税の合計課税価格階級別の課税状況(令和3年分)
というデータがありましたので、その数値も確認してみましょう。
これは、
課税金額別の件数
のデータになります。
その内容をみると、
5,000万円までが、全体の10.1%
となっています。
トラブルが多い原因
では、なぜ、
相続財産が5,000万円まで場合
に、トラブルが多いのでしょうか?
いくつかの要因が考えられますが、実際のところ、
俗な言い方ですが、
金持ちケンカせず
という傾向はあります。
ある程度の相続財産があると、あまり細かい金額で揉めにくいという面も考えられます。
つまり、長期的な視点で、また、税理士さんなどの専門家を交えて、
相続対策
を行っているので、トラブルになる可能性が低いともいえます。
逆に、相続財産が少ない場合は、そういった事前の対策がなされていない場合が多く、結果、
財産の分け方でトラブルになりやすい
という見方もできます。
さいごに
少なくとも、相続財産の多い少ないにかかわらず、
しっかりと相続対策を行うこと
が大切と言えます。
相続で身内が揉めるという状態になってしまうと、「争う」ほうの相続である、
「争続」
になってしまいます。
そうならないように、事前に準備しましょう。
以上、相続トラブルと、相続資産の関係についてでした。