相続の際に、
揉める原因
として、どのようなものがあるのかを知りたい。
こんなテーマについて記載しています。
相続で揉める原因とは、いくつかの要因がありますが、主には、遺産分割時の割合が、法定相続（法律上の割合）になっていないことに起因します。またそれ以外の原因もありますので、あわせて説明しています。
相続する際に、関係者で揉めて、争いごとになるケースがあります。
本来であれば、そういうことはあってなならないことですが、現実には、起こりえます。
争いごとが、調停、裁判までいってしまった件数としては、「司法統計 遺産分割審判」のデータによりますと、
2000年時点；8,889件
2020年 ；11,303件
と増加傾向なっています。
相続で争いが発生する場合の、相続金額は？
相続時に争いばおこる場合、現実的には、
どのくらいの相続金額
の場合が多いのでしょうか？
一般的に、相続で揉めるケースとしては、相続の対象が億単位の金額の場合をイメージしがちですが、現実は、
数千万の相続の場合が、ほとんど
という状況になっています。
ですので、必ずしも、資産家だから揉めやすいという訳ではありません。
（参考）遺産価格別分割事件割合(令和2年)
（出典）最高裁判所 司法統計
※遺産分割事件のうち認容・調停成立件数（｢分割をしない｣を除く）
（グラフ画像引用）相続診断士とは？（相続診断士協会）
上記の割合について、
そもそも、相続資産５０００万円以下の件数（母数）が多いからなのでは？
ということも想定できます。
ですので、相続資産ごとの件数に関する、財務省のデータを見てみましょう。
画像；相続税の合計課税価格階級別の課税状況（令和３年分）から引用
件数的には、～5,000万円の区分が10.1％になっていますので、母数としては、多くないことがわかります。
つまり、
10.1％しかない層
で、
全体の７割以上の揉め事が発生している
という状況になっています。
では、相続で揉める原因としては、どのようなことがあるのでしょうか。
相続で揉める原因
相続で揉める原因としては、主に、下記の要因が考えられます。
相続財産が、法定相続通りに分けることができない
相続の対象が、現金だけなら分けることも可能ですが、実際は、不動産や、あるいは、会社経営されている場合は、その株式など、容易に換金できないものもあります。
そうった場合に、法定相続通りに分割できないこととなり、揉める原因となる可能性があります。
家督相続と法定相続とのギャップ
以前の家督相続（長男が単独で相続するという制度）の認識と、法定相続との認識のギャップによる認識のズレに起因する場合があります。
相続の話し合いが後回しになっている
相続に関する話し合いについては、ある意味、
その時点で、緊急を要する問題ではない場合が多い
ために、結果、後回しになっているということが考えられます。
ですので、なるべく、早めに準備をしておくことが安心につながります。
対応策について
相続で揉めたり、争ったりすることは、親族間どうしということもあり、あとあと、尾を引くことも多く、やっかいな問題と言えます。
できれば、そういったことは、避けるべきと言えます。
その為には、相続の手続きが発生してからの対応ではなく、
事前に、関係者へ、どういった内容で相続を進める考えなのかをしっかりと伝えておく
ということが大切になります。
状況によっては、話し合いが必要な場面もでてくるかもしれませんが、本人がしっかりと想いを伝えることで、トラブルを事前に回避できることが期待できます。
以上、相続で揉める原因と対応策についてでした。
